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ヴィジェ・ルブラン展を楽しむ秘密その4〜高橋明也さん(三菱一号館美術館館長)

三菱一号館美術館館長、高橋明也(たかはし・あきや)さんにマリー=アントワネットの画家ヴィジェ・ルブラン展を楽しむヒミツ」について教えていただきます。
今回の秘密は「ヴィジェ・ルブランの3つの自画像は必見」です。

ヴィジェ・ルブラン展を楽しむヒミツその4
ヴィジェ・ルブランの3つの自画像は必見

ヴィジェ・ルブランは自画像を見ていただくとわかると思いますが、非常に美しい女性でした。今回、彼女の自画像を3点展示します。フランス大革命を経て、世界をたくましく切り開いた女性の生き様が感じられるでしょう。また、《ポリニャック公爵夫人》《クリュソル男爵夫人》などに見られるモデルの女性たちのファッションも興味深いです。子供服からヒントを得たとされるロリータファッションなど、現代に通じる鮮やかで自由な装いを見ることができます。

ヴィジェ・ルブランは王立絵画彫刻アカデミーの会員となり、その名声はヨーロッパ中に響きわたったのですが、1789年のフランス革命が彼女の運命を変えます。シングルマザーとして子供を連れてフランスを逃れ、イタリア、オーストリア、ロシアなどで亡命生活を送りながら、制作は続けていました。12年後にフランスに戻りますが、今までとはまったく異なる社会になっていました。時代に翻弄されながらも制作を続けたヴィジェ・ルブランの生き様について、自画像を見ながら感じていただければと思います。

 

エリザベト・ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン
《ポリニャック公爵夫人、ガブリエル=ヨランド・クロード・マルティヌ・ド・ポラストロン》1782年
ヴェルサイユ宮殿美術館蔵
© RMN (Château de Versailles) / Gérard Blot / distributed by AMF

 

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高橋明也さん
Akiya Takahashi
三菱一号館美術館館長。東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了。後に国立西洋美術館研究員。19世紀フランス美術史専攻。1984年より2年間、文部省在外研究員としてオルセー美術館開館準備室に在籍。2010年10月にはフランス芸術文化勲章を受章した。

 

「マリー=アントワネットの画家ヴィジェ・ルブラン」展は3月1日〜5月8日まで開催。詳細はHPをご覧下さい。http://mimt.jp/vigee/

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